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コンセプトが伝わる店にするには?内装デザインの伝え方と注意点
2025.07.15
「イメージと違う…」
店舗の完成を見たオーナー様から、そんな声が出てしまうのは決して珍しいことではありません。
店舗における内装デザインは、ただおしゃれにするためのものではなく、「誰のために、何を伝えるのか」を空間で表現する重要な手段です。
つまり、内装デザインは「コンセプトの翻訳者」なのです。
今回はKazaliの現場経験をもとに、オーナー様と設計者の間で「ズレ」が生まれないための内装デザインの伝え方、注意点、実践的なコミュニケーションのポイントを解説します。
「コンセプト設計」と「内装デザイン」は別物と捉える
まず押さえておきたいのは、店舗のコンセプトと内装デザインはイコールではないということ。
たとえば「くつろげるカフェにしたい」というコンセプトがあったとしても、それをどのように内装デザインで表現するかは、まったく別のフェーズです。
内装デザインに落とし込むためには:
- どんな顧客層を想定しているか(年代・性別・ライフスタイル)
- 客単価や回転率などの営業方針
- 店主がこだわりたい世界観や価値観
- 素材・照明・什器などに対する具体的な希望
といった、より詳細で具体的な情報が不可欠です。
これらを設計者と共有することで、はじめて内装デザインとしての方向性が定まります。
1. 抽象的な言葉よりも“共通言語”で伝える
内装デザインの打ち合わせでは、「ナチュラルな雰囲気」「スタイリッシュに」など、抽象的な表現が使われがちです。
しかし、こうした言葉には個人差があり、設計者との認識が食い違う原因になりやすいものです。
Kazaliでは、内装デザインの方向性を正しくすり合わせるために以下を活用しています:
・参考写真や実例を複数用意してもらう(PinterestやSNSの画像でも可)
→ どの要素が気に入ったのかを一緒に分析
・NGデザインも伝えてもらう
→ 避けたいテイストや素材があると、内装デザインの選択肢を絞りやすくなります
・「雰囲気」ではなく「意図」で伝える
→ 例:「木を使いたい」→「ぬくもりを感じてほしいから」
これにより、言葉だけでは伝えきれない内装デザインの意図が共有されやすくなります。
2. コンセプトを“内装デザインの軸”として一言で定義する
内装デザインを進めるうえで迷いが出たとき、指針になるのが「この店の世界観は何か?」という軸です。
Kazaliでは、設計前に“一言で言い切れるコンセプト”をクライアントと一緒に作ることを大切にしています。
たとえば:
- お客様が秘密にしたくなる“隠れ家サロン”
- ふらっと立ち寄れる“日常のカフェ”
- 日常を忘れられる“都市のリトリート空間”
この一言があるだけで、内装デザインの判断にブレがなくなります。
照明、色合い、素材、什器レイアウトなど、すべてがこの“軸”とつながっていれば、自然と統一感のある空間になります。
3. 内装デザインでは“使いやすさ”とのバランスも重要
内装デザインは美しさや世界観だけでなく、日々の業務のしやすさとも両立しなければいけません。
以下はよくあるバランス課題です:
- おしゃれな什器配置にした結果、回遊しづらくなった
- デザイン性を重視した照明が、実は作業には不向きだった
- 収納を減らしたことでスタッフ動線が煩雑に
Kazaliでは、内装デザインを進めるうえで、オーナー様に「どちらを優先すべきか」を確認しながら設計を進めます。
4. 「伝えにくいこと」こそ、初期段階で共有を
内装デザインで最もコストがかかるのは、「後戻り」です。
- やっぱりこの色は違った
- 照明の明るさが思っていたより暗い
- ここに棚を付けたかった
そういった“あとから気づくこと”は、多くが「最初に言いにくくて伝えられなかったこと」だったりします。
Kazaliでは、内装デザインの初期段階で必ず懸念点・迷っていること・本音までヒアリングすることを重視しています。
また、中間チェックポイントを複数設定し、段階的に不安を解消できる設計体制を整えています。
コンセプトが伝わる内装デザインには「対話」がある
最終的に、「良い内装デザイン」とは何か?
Kazaliではこう考えています。
“お客様が自然と感じる空気感”が、店主の想いとブレていないこと。
そのためには、設計者だけが頑張るのではなく、オーナー様と一緒に「対話」しながらつくり上げることが何よりも大切です。
Kazaliでは、内装デザインの設計に入る前段階から、ヒアリング・コンセプト整理・空間表現まで一貫してサポートしています。
「イメージはあるけど、どう伝えたらいいか分からない」
「思い描く世界観を、形にしてくれるパートナーがほしい」
そんなときは、ぜひ一度ご相談ください。
あなたの想いを、空間というカタチに変えるお手伝いをさせていただきます。